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パズルの7つのよさ

1 楽しい
 算数の得意な子はもちろんのこと、算数の苦手な子も楽しんで取り組めることが多いのがパズルです。特定のパズルが苦手というのはあって当然です。複数のパズルを用意することで、熱中できるパズルにも出合えることでしょう。
 パズルにハマると、テレビやゲームよりも夢中になって取り組む姿も見られます。楽しみながら知的な活動に取り組めるのが一番のパズルのよさです。

2 やればやるほど上達する
 ルービックキューブやジグゾーパズルはやればやるだけ早くできるようになります。それ以外のパズルも同じです。同じ問題であれば早く解けるようになるでしょうし、難しい問題もいずれできるようになります。パズルにチャレンジする度に成長を実感できます。

3 手軽にできる
 問題やパズルグッズがあればすぐにできます。時間も短いものから長いものまであるのでどんな隙間時間でも取り組めます。

4 気分転換になる
 立体パズルでも、算数パズルでも取り組もうと思ったものは、脳の使っていない部分からの活用してほしいというメッセージです。パズルで刺激することでリフレッシュできます。

5 様々な種類がある
 一人で行うものもあれば、対戦パズルもあります。一人で行うものは、ルービックキューブ、ジグゾーパズル、宮本式パズル、算数脳なぞぺー、ナンバープレイスなど、対戦パズルは将棋やオセロ、立体四目並べ、ブロックスなどがあります。たくさんの種類があるので自分に合ったパズルもみつかるでしょう。

6 知的な空間になる
 一人でピコピコゲームをするよりパズルに真剣に取り組む姿、テレビゲーム対戦で盛り上がるよりコミュニケーションを楽しみながら将棋をさす、ブロックスでのかけひきの方が知的な空間を作りだすことができます。

7 様々な力が育まれる
 試行錯誤する力や成長の実感など、パズルならではのよさがたくさんあります。





パズルで育まれる5つの力

1.試行錯誤しながら考える力がつく

 「あれ違う、あれまた違う」と、パズルを完成させるために、何度もやり直さなければなりません。試行錯誤する体験は日常生活ではあまりありません。パズルを通して、試行錯誤の体験をたくさんできます。
 試行錯誤の中から、考えることの楽しさを実感、粘り強さ、我慢強さ、未知の問題に挑む力も養われます。

2.がんばればできるという自信、チャレンジする力がつく
 算数が好きな人は、考えることそのものにワクワクし、一生懸命考えれば解けるという自信をもっています。難問に対してはあきらめや面倒くささではなく、挑戦意欲が駆り立てられます。数学が好きな人は考えればできるという体験をたくさん積んできているのです。
 日常生活の中では、年齢を重ねるにつれ、「できるようになった」と実感する機会や物事に挑戦する機会が減ってきます。パズルは常に挑戦であり、達成感があります。がんばること、そしてできるようになることの体験を積むことで自分自身への自信につながります。成長する喜び、向上する喜びは次の挑戦への意欲となります。

3.集中力がつく
 集中力は集中する機会をたくさんもつことで磨かれます。集中していた様子に見えたら、そっとしておき、あとから「集中していたね」と声をかけます。集中するとはどういう状態なのかを伝えていきます。集中した状態を知ること、体験することで集中力が身についていきます。
 テレビやゲーム、スマホ等は一見集中しているようですが、受け身の状態です。幼少期は積み木やお人形遊び、虫の観察などで夢中になって過ごす機会があります。けれども、年齢を重ねると何かに夢中になる機会も減ってきます。パズルは取り組み始めると、頭をフル回転し夢中になることができます。日常の中に集中する機会を取り入れることができます。

4.頭がよくなる
 ・図形センス、数センス(算数パズルなど)
 ・空間把握能力、イメージ化能力(図形パズルなど)
 ・直観力、発見力(パズル全般)
 ・論理力(パズル全般)

5.算数の力
 未知の課題でも、集中し、試行錯誤し、挑戦する力、そして算数のセンスも磨けるので、算数の力もつきます。算数も楽しくなってきます。





パズルを成功させる15のポイント

(1) 目のつくところに置いておく

 気になって、自分から取り組み始めるのがベストです。勝手に準備し、突然「さぁ、はじめるよ」はNGです。興味を示したところで「やってみる?」からスタートしましょう。

(2) 簡単なものからスタート
 できるという自信をつけさせること、解く楽しみを実感できることがまずは大切です。

(3) 答えは子どもが見られないようにする
 つい答えがあると見てしまいたくなるものです。手の届かないところにおいておきます。

(4) 基本的に教えない ヒントも禁止
 一度あきらめても、再度挑戦したときにできるようになることがあります。このとき、成長を実感できます。教えてしまったら成長を感じることがなくなってしまいます。

(5) 口出ししない
 ついもどかしくて「ここから始めればいいんじゃない」、「とにかく書く」、「とにかく書くんじゃなくて、考えてから書く」、「間違っているよ」など、ついつい口や手を出したくなりますが、そこはグッと我慢です。子どものやる気がなくなってしまいます。

(6) 解けなかったら、いったんあきらめて違う問題に挑戦してもOK

 じっくり取り組むという考えもあります。ただし、十分に集中力や根気が育っていない時に、じっくり取り組むのは難しいものがあります。そんな時は違う問題もいいでしょう。

(7) 解けなくても間違えても10分以上真剣に考えればOK
 目的は答えを出すことではなく、楽しみつつ苦しむことです。集中力がきれて、ダラダラやるようなら、一度打ち切るといいでしょう。ただし意欲をもって取り組んでいるようなら何十分でも挑戦させしょう。

(8) 合格したらしっかり認める(ほめる)
 成長したことを共に喜びましょう。

(9) 楽しくなる工夫を行う
 完成までのタイムを計ったり誰かと競争したり、ゴールまでの道のりを確認したり、表彰状やランキングを作ったりする中で、楽しみや真剣みが増します。

(10) 複数のパズルを用意する
 いくつか用意して、子どもに挑戦するパズルを選ばせます。選んで始めたものは、相性がよかったり、意欲をもって取り組めたりします。

(11) 無理強いしない

 パズルにはまる子もいれば、全く興味がない子、苦手な子もいます。無理強いしても効果はごく限られてしまいます。パズル以外の分野で応援するという選択肢もあります。

(12) 子どもをよく観察する

 ・ どんな言葉がけでやる気になるのか
 ・ どんなパズルが好きなのか
 ・ 集中できるのは何分ぐらいなのか
 1回目、2回目ぐらいまではよくても3回目ぐらいから意欲の減退が見られるようになります。軌道に乗るまではサポートが必要です。万人に共通するパズル成功法則はありません。ヒントを教えたり、ある程度無理強いしたりと、成功ポイントとは逆のことをやってみることも時には必要です。

(13) パズルで身についた力を伝える
 ・前より集中してできるようになったね
 ・できなくてもすぐ諦めなくなったね
 ・昨日できなかったのに、今日はできた。成長したね
 ・書いて考えられるようになったのがスゴイ
 ・自分で法則を考えたのは驚いたよ。パズル博士だね
 など、身についた力を伝えることで、子どもたちもパズルの価値に気付きやすくなります。

(14) パズルに挑戦する
 子どもだけでなく、自分自身もパズルに挑戦します。パズルの楽しさや難しさを実感することで子どもの気持ちも理解できるようになります。

(15) 気長に取り組む

 よくパズルにはまって、「ずっと集中して問題集を1冊解いた」、「勝手に自分からどんどん進める」、「問題行動がなくなった」、「算数でいつも100点を取るようになった」などの情報が流れますが、そのような子はごく一部です。パズルで劇的な変化を遂げると思っていると、そうでない時に焦ります。教育は焦ってもいいことはありません。
しっかり支援すること、気長に取り組むことが、継続し、パズルのよさを引き出すコツです。焦らず成長を期待し、その時その時を楽しみましょう。




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