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    インタビュー2-2
    第2回 : 教育の世界で大切なことは


教育実習だけでは見えてこない部分や、社会人選考枠・資格認定試験受験生は、教育現場のことがわかりません。現役の先生のお話により、多面的に教師という職業を理解することや、教育への思いが深まることを願っています。



自ら情報を発信していくこと



―― 田中先生は、さまざまな学習サークルに参加されているとお聞きしましたが、どのようなサークルに所属されていらっしゃいますか?


自身の主催する「子どものための学級会」(八王子市駅前・月一開催)がメインです。その他に、先輩教員の集まる「ビートル」(豊田駅前・月一)、日野市で体育の実技を学ばせて頂いている「体育同志会」、授業づくりネットワークの「教師力UPセミナー」(吉祥寺の成蹊大・ほぼ月一)、初任から5年目程度の若手教員の「書く力」育成のためサークル「東京青年塾」(不定期)、プロジェクト・アドベンチャーを学ぶ「西多摩PACE(ペース)」(月一)です。




―― なぜそのように多くのサークルの参加されているのですか?


楽しいから(笑)


「観念ではなく実践」を学べるからです。口ばっかりの人間はつまらないでしょ。この教育の世界は、実践をしてこそなんぼの世界です。そんな人間の集まるところに足を運ぶと必ず成長出来ます。日々成長!これぞ人間、だと思うからです。




―― 名の知れている勉強会だとしても、知らない場所に足を踏み入れるのは勇気がいると思いますが。


知り合いが入っていれば心強いですよね〜。僕の場合も、知り合いづてで入ったサークルばかりです。やっぱり「人」と会って決めた方がいいかなと思います。


「勇気」ってどこから沸いてくるんだろう。レミオロメンの歌詞の中にありましたが、本当にそうですね。




―― 自分にあったサークルをみつけるコツのようなものはありますか?
  
やはり、これも「人」でなないでしょうか?一生懸命学習しているサークルでも、魅力的な人がいなければ行きたいとは思いません。「あの人の話を聞きたい!」という人に出会えるかどうか。これは重要な事です。私もそんな風に思ってもらえるよう努力しています(笑)




―― また、田中先生主催での学習サークル「子どものための学級会」も運営されてますが、どのような経緯でサークルをお作りになられたのですか?


そもそも、児童心理学を学ぶ大学生数人で立ち上げたサークルでした。以前は様々な事例(ADHDやアスペルガーなどの特別支援関係)を学びあう場でしたが、先輩たちが普通に就職し、教育現場から離れていく中、開催が不定期になり、また参加人数も減ったことでサークル閉鎖の危機に。そこで、小学校教員になった私が引き継ぎました。


現在では、実践を交流しあう場となっています。


私が初任者の時、周りの先生たちは忙しく、悩みをぶつけたり相談がしにくい。また、毎月開かれる初任者研修も全然現場で役に立たない事ばかりを教えられます。非常に困りました。きっと若い先生たちも、僕同様の悩みを抱えて行くのだろうと思ったとき、非力ながら少しでも経験を役立ててもらえればとサークルを立ち上げる決意をしたわけです。


      サザンクロス   第6号
―― サークルの立ち上げはいつですか?


6年前です。私が主催し始めてからは4年目に入ります。


月一ペースで休まず開催してきました。3人でやったときもありましたが、なんとかとぎれる事無く開催し続けてこれました。意地で維持?





―― 長く続けるコツなどはありますか。長い間、研究と修養を続けていくことが人によっては難しいケースもあるかと思いますが。


う〜〜ん。受け身にならず、主催者自ら情報を発信していけるかどうかじゃないかなぁ。受け身になると、「つまらなかった」「価値的じゃなかった」など、サークルに時間を割いたことを後悔したりします。


ですが、自分からレポートを発表したりすると、周りの人にそう思わせないよう自然に頑張れます。


「学びをやめたらこの仕事終わりアルヨ〜」
そう言い聞かせています。


あとは・・・・・・「日本の教育をよくする」ために「力ある後輩を育成する!」という使命感をもつこと。「なんのため」という自身の目的を日々自問自答することで、モチベーションは維持できます。


しかし、何と言っても「頑張りすぎないこと」ですね。




―― 勉強会に参加者されているのはどのような方々ですか?


初任者から5年目の私までの若手教員ばかりです。





―― 何名ぐらいの方が参加されていらっしゃいますか?


だいたい15〜20名です。初参加メンバーも毎回3〜4名いますね。





―― 「子どものための学級会」ではどのようなことが行われているのですか?


レポートを持ち寄り、互いに実践を交流しあっています。漢字ゲームや様々な音読、算数ゲームや工作など、実際に子どもの立場になって体験的に学びあいます。縄跳びやボールゲームなど、体を使った活動もしますよ。


「体験」は非常に有効です。 本で学んだだけじゃ分からない事が分かります。 なので、すぐに現場で実践(追試といいます)が出来ます。




―― 経験が浅く、レポートなどはまだ作れそうにないのですが、聴講だけの参加もできるのでしょうか?あとお金はかかるのですか?


もち!(聴講だけでも)じぇんじぇんOKです。みんな最初は子どもだったでしょ?いきなり高度な事は求めません。徐々にですよ、JOJOに!


お金?もちろん無料さ!




―― まだ、先生ではなく受験生ですが、「子どものための学級会」に参加できますか?参加資格のようなものはありますか?


誰でも参加OK!参加資格なーし!来てみて「楽しかった」「学びに来た甲斐があった!」ということなら引き続き参加を。「つまらなかった」「時間の無駄!」と思えばそれまでです。「来る者拒まず・去る者追わず」のスタンスです。


まぁ、一度遊びに来てください。「百聞は一見にしかず」でしょ?




■ 繕っても意味がないし そのままの自分で 



―― ウワサでは、田中先生にキー局から授業に関する取材依頼が数件きているとのことですが、それに関する経緯をお話いただけますか?


「お笑い教師同盟」という団体に参加しています。そこでの実践が評価(?)されて、取材依頼がありました。この6月にTBSのイブニングファイブというニュース番組で実践が放送される予定です。




―― テレビ出演は、学校や教育委員会の許可などは必要でしたか?


かなり厳しいです。私の場合、許可は簡単に下りませんでした。教育委員会の反応は市や区によっても違いますし、何より管理職(校長・副校長)によって違うんじゃないですかね。「NHKならOK!」なんてのが教育委員会です。




―― 田中先生がテレビで「これを伝えたい!本番でカットされてもこれだけは言ってやるぜ」というようなものはありますか?


う〜〜ん、無し!繕っても意味がないし。


訴えたいことはただ一つ!「そのままの俺を見てくれ!」って感じ。まぁ、反応は正直怖いですね。こんな先生ありかよ!?って反応ね。




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