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    インタビュー3-1
    第3回 : 伝説の教師プロジェクトをおえて 


教育と一言でいっても様々です。そして教育へのアプローチも様々です。
ベテランではなく、経験もなく、また教師でなくても、教育には携わっていくことができます。まだ何もできない自分でも、否、小さな力だからこそ、逆にできることもあるかもしれません。今、自分にできること。




自分を信じて、仲間を信じること


第3回目のインタビューは、「伝説の教師プロジェクト」主催の教育系学生団体NEP代表新山佳也さんです。初めてお会いしたのは、伝説の教師プロジェクトのプレイベントです。教育界を変えていこうという思いは強く、男気と、溢れるバイタリティは何かを期待させてくれます。


新山さんは、現在横浜国立大学 教育人間学部の4年生に在籍、伝説の教師プロジェクトは大学3年生の時にとある思いでゼロからスタートし、現実のものとしました。今回は、どのような経緯でこのプロジェクトが行われたのか、また今後の目指すところなどをお話いただきました。
                                                         (2007年1月19日現在)


※ 『伝説教師プロジェクト』とは、
 ・昔は札付きの悪だったが、現在では日本の教育界を支える・義家弘介氏
 ・教師時代に日本一を作り続けてきたカリスマ教師・原田隆史氏
 ・東京都の公立中学校で初の民間人校長で学校改革を進める・藤原和博先生
 と一緒に理想の教師を目指す2006年秋に開催された教育系学生団体NEPの教育イベントです。




■ まだまだ熱さは足りない


―― さっそくですが、「伝説の教師プロジェクト」とはどのようなプロジェクトですか?


現役教師と教員志望の学生を対象にした、全4回シリーズの講演会+ワークショップです。各回ごとにテーマを決め、その流れで全体で成長していきたいなと思っていました。




―― このイベントを企画することとなったきっかけを教えてください。


僕と同じ大学で同じ学科の先輩が、「教員免許でも持っているから教師にでもなろうかな」と言った言葉がきっかけ。もっと教師という職業に夢や希望を持ってほしいなと思った。僕は最初、これほど横国の教育の学生のモチベーションが低いのは、授業がつまらないからだと思ったのですよ。で、カリキュラム改定をしたいなと思ったのです。


が、カリキュラムを変えても、それを受ける学生が何か問題意識を持たないと何も変わらないなと思い、何か問題意識をもってもらうような企画を考えました。そこでこの伝説教師プロジェクトが生まれました。




―― 3名の伝説の教師が講師として参加されましたが、どのような経緯で選出されたのですか?


はじめは原田先生の「目標を設定し、成功へリーチするための方法論である『リーチング術』」を教師になる人達にもっと知ってほしいなという思いで、原田先生のみお呼びするつもりでした。


しかし、僕が教師になる人達の中でもっていてほしいことが、「夢」「目標」「キャリア理解」であったので、それに見合う講師をお呼びしようと思い、3名の方にお願いすることになりました。




―― どのような働きかけを講師の方々にされたのですか?


義家先生には直接事務所にアプローチしました。原田先生は、もともとお知り合いということもあり、原田総研の社長から了解を頂きました。藤原先生は和田中の土曜日学校のボランティアをしながら、アプローチしていきました。




―― 3名の伝説の教師の方々と実際に身近で接せられたわけですが、
そのときの感想をそれぞれお聞かせいただけますか?


感想ですかぁ。取り合えず、自分が熱いと思っていましたが、寝る間も惜しんで私たちのプロジェクトにかかわって下さった姿を見て、まだまだ熱さは足りないなと思いました。




―― 伝説の教師の共通点のようなものはありましたか?


あるとすれば、教育に熱意を持っているかどうかだと思います。










■ 信頼できる仲間が見つかった



―― 今回のプロジェクトにどのような方が参加されたのですか?


参加者数は、300名以上です。アプローチ層としては、「何か行動を起こしたいけど、何をしたらよいか分からない人達」というカテゴリーです。所属として、学生の方々は、横浜国立大学、学芸大学、早稲田大学、日本体育大学、神奈川大学、成蹊大学、玉川大学、関東学院などです。社会人の方々は主に現役教師の方と教育関係の企業の方です。





―― とても多くの方が参加されたようですが、このイベントで新山さんが伝えたかったことは何ですか?


常に自分を高めてほしいなという事。それは教師というものに限ったことではなく、「一人の人間として」高めてほしいなと。






―― 終わってみて、参加者にどのような影響力があったと思いますか?




影響を与えられた数はいくつか把握できませんが、おそらく教員志望という横のつながりや、現役教師と教員志望の学生という縦のつながりも出来たのかなと思います。それはプロジェクトが終わり、それで出会った人達がたまに会っており、その話をよく耳にするからです。それに加え、その人たちを中心に、このコミュニティを全国に広げようという動きも起こっています。


また、自分も頑張ろうと思う教員志望の学生が増えたなと感じました。これに関しては、プロジェクト後のアンケートを見て思いました。




―― 新山さん自身は何かイベント前と後では変化はありましたか?


変化はありましたね。痩せた。お金が無くなった。そして、信頼できる仲間が見つかった。自分と同じような問題意識を持っている人達とのつながりが出来た。自分が本当に大切にしているものが分かったことなどです。




――   「自分が本当に大切しているもの」とは、差し支えなければ教えてください


恥ずかしいですが、今お付き合いしている人です。プロジェクトの準備期間には、その方との時間を削らなければいけない日もたびたびあり、うまくいかない時は私があたってしまうときもありました。彼女はそんな私をやさしく支えてくれました。今は、彼女へ最大限の思いやりをもって接しています。





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