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 ミニネタ実践事例 5つのポイント


 ここでは子どものやる気引き出すミニネタの基礎技術を活用するための5つのポイントを示す。ミニネタ実践のコツがつかめるはずである。その後は是非数々のミニネタ集を収集・創出して頂き、日々の授業を魅力的なものにしていただければと思う。


(1)単発型ミニネタ 〜まずはスポット的に投入してみよう〜
 定義・授業の中で極めてスポット的に使用し、授業に幅と奥行きを持たせる効果のあるミニネタ
 

 すぐにでも着手、実行出来るのがこの型である。授業の内容に関連した「トリビア」的な内容が多いが、子どもたちは真剣に聞いてくれる。目を輝かせて聞いてくれる。つまり子どもたちの集中力を高めることができるのだ。授業に対する子どもたちの期待感が高まるからである。

 よく昔の小学校時代の授業の話を回顧したとき、思い出されるのはありきたりの教科書内容よりも、「先生の脱線話」の方が多かった、印象が強かったという経験はないだろうか?実はこの場合、先生が話したのは授業内容から完全に逸脱した「脱線」ではなく、ある授業内容に付随したトリビア的内容であったと考えられないだろうか。

 記憶はその刺激によって持続度が違うというのは常識である。「快」、「不快」、「中間」の順番に持続力は落ちていく。ということは「トリビア的内容」は子どもたちにとって「快」であると推測される。このようなミニネタを多量にストックしておき、乾坤一擲ここぞというときにドーンと提示する。子どもたちは教師の話に釘付けになる。

 代表的なものとして、「大仏マスクで歴史授業」や「北の話」、「℃の話」などがある。


(2)時期限定型ミニネタ 〜勝負時にこのミニネタで闘おう〜
  定義・学期はじめの1週間など、限定的なスパンの中で使用するミニネタ

 ミニネタは子どもたちに対して、ただ乱発すればいいというものではない。乾坤一擲、ここぞという時に適時性を持って子どもたちに提示すべきである。

 (1)では極めてスポット的に使い、授業を引き立てる働きをする単発型ミニネタを紹介した。それらも豊富に持ち、ここ一番で使うことで子どもたちに「この先生は凄い、やるなあ。」と思わせることができる。しかし、それだけでは弱い。何しろ単発型である。この型しか知らないと、1つのミニネタ後、次のミニネタ登場まで間伸びしてしまうのだ。「なあんだ。先生ってそんなものか」と思わせては教師の負けである。そこで2つめの類型が必要となる。それが時期限定型ミニネタである。 

 これは学年・学期はじめや授業参観日などの節目節目に使用することで学級経営上、有効な働きをするミニネタである。別の言い方をすれば、学級経営の重要な時期だからこそ落とせないミニネタ群である。

 目下ミニネタの類型を整理しているが、このタイプのミニネタの数が圧倒的に多い。それだけ、1年を通じてタイムリーに授業を構成することができるわけである。

 代表的なものとして理科の各種実験ネタがある。


(3)継続型ミニネタ 〜継続こそ力なり!小さな労力で大きな効果〜
  定義・学期間や年間という長いスパンの中で継続的に使用するミニネタ

 (1)、(2)の2類型があれば、1年間でかなりの部分がカバー出来る。しかし、それでもやはり「空白部分」がある。ここをどのようにカバーするのか。

 ミニネタといえ、やはり毎日授業毎に逐一準備するのはかなりの労力を要する。そこで学期間、年間を通して実施出来る「息の長い」ミニネタを用意しておく。これが第3の類型「継続型ミニネタ」である。

 代表的なものとして、「漢字マッキーノ」や「国旗ビンゴゲーム」などがある。授業の初めなどに行うことにしておく。このミニネタの後に引き続き、他のミニネタやメインの学習内容に突入する。早いテンポで授業内容は移り変わっていくが、しばらくすると子どもたちは1時間の授業の見通しがつくようになる。こうなると子どもたちは授業をしっくり落ち着いて受けるようになる。

 教師でも大人でもそうではないか。いつ終わるとも知れぬ長々しい下手くそな話をされれば、よそ見もすれば居眠り、私語もするだろう、大人だってそうなのだ。魅力的なミニネタを連発し、しかも子どもたちが次の展開に見通しがついている状態をつくり出そう。このことが安定した学級づくりに繋がっていくのだ。 


(4)変幻自在ミニネタ
定義・難教材などを克服するのために、手を変え品を変え次々と連発して 理解を助けるミニネタ

 難しいとされている問題で悩んでいるとき、「こうすればいいんだよ!」と教えてくれたテクニックに「先生、すごいや。ついていこう!」という思いを抱いたことはないだろうか。

 私は予備校時代の英語の先生を今でも尊敬している。高校の教師が何時間教えても理解出来なかった問題が、その予備校の先生が10分講義をしたら見事に理解出来たのだ。その感動はいまでも忘れられない。

 このようなミニネタを数多く持とう。そして難教材と言われる教材を克服させていこう。病気を完治させてくれた医師のことを尊敬するのと同じように、子どもたちは教師のことを尊敬しくれるようになるはずである。


(5)構成法ミニネタ
定義・(1)〜(4)までのミニネタを効果的に活用し、授業として成立させるのに必要なミニネタ

 このポイントだけ、他の4つとは大きくカテゴリーを異にしている。
 いわば(1)〜(4)のミニネタを使用していかに授業を創るか、いわば授業構成法ミニネタである。

 せっかく収集したネタも、提示の仕方や加工の仕方を誤ると台無しである。やはり活きの良いネタは「一番美味しい調理法でお客様にお出ししたい」ものである。

 また、ミニネタをただ単に提示するだけで子どもたちの力になるのなら、それに越したことはない。しかし、多くの場合、子どもたちに思考させる過程=発問を前後に配置するだけで、そのミニネタはより効果的に子どもたちの意欲を喚起することができるようになる。

 つまりミニネタを知るだけでは弱い。その「料理法」を学ぶ必要がある。そのためには「構成法ミニネタ」が必要である。

 これには大きく4つの方法がある。

@ 択一クイズ式
 ネタをクイズ風に紹介し(このクイズが発問になります)、3者択一などで答えを考えさせる方法である。次のような順序で授業を構成する。
 ■ 出題(発問)
 ■ 解答選択・人数確認
 ■ 理由発表
 ■ 意見交換
 ■ 解答再選択・人数確認
 ■ 正答発表
 ■ 補足・説明
 ★ 資料が教師の手元にしかない時などに有効。

A 記述式
 同じく発問後、答えを記述させる方法です。次のような順序で授業を構成する。
 ■ 出題(発問)
 ■ 解答記述
 ■ 発表
 ■ 意見交換
 ■ 解答再記述
 ■ 正答発表
 ■ 補足・説明
 ★ 資料が児童・生徒の手元にあり、詳細にわたって「検索」させることが可能な時に有効。

B 指名・口頭解答式
 数人を指名し、次々に答えを口頭で発表させる方法。
 ■ 出題(発問)
 ■ 数名指名
 ■ 教師の束ね
 ★ 授業の導入部などで、それほど重要でない「軽い」発問に対する答えを求めると時に有効。この後に「主発問」が控えていることが多い。

C  教師提示式
 何の発問も出さずに教師がいきなりネタの詳細を伝える方法。
 ■ 教師の「タメ」
 ■ ネタ紹介
 ★ 補足などをするときに有効。「タメ」とは「正解は・・・」の「・・・」の数秒の時間をいう。クイズミリオネアの「みのダメ」が有名。

 以上4つの使用法を紹介した。もちろん発問を中心とした授業というのは他にも実にたくさんのタイプがある。今回示した4つの使用法は、あくまで私がミニネタ授業を行う際によく使う手法である。実に手軽であるが、効果は大きい。状況に応じて使い分けてみていただきたい。

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